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データ活用の成功を左右するビジネス視点と進め方

 デジタル変革が企業の競争力強化の鍵を握る今、企業はデータ収集・分析に熱心に取り組むが、必ずしも成果を上げている会社ばかりではない。データ・アナリティクスサービスを展開する野村総合研究所(NRI)でデータ活用の前線で活躍する2人のデータアナリストにデータ活用成功の注意点やポイントを聞いた。

経営課題と認識し、組織の文化へ

 NRIは金融・製造・通信・エネルギーなど幅広い業種、企業のデータ分析のプロジェクトを数多く手がけてきた。その経験からデータ分析は、進め方をあやまると失敗が起きやすい特性があるという。実際、同社の調査では約4割の企業がデータ分析の効果を実感できていない。その主な理由について、企業の扱うデータ量が急速に増える中、比較的容易に分析環境が構築できるようになった結果、目的が不明確なままスタートし、成果が出ず、続かない状況に陥っているからだと分析している。

 例えば、ビジネス部門の担当者が事業課題は認識できていても、自社にどのようなデータがあり、技術的側面からどのような分析が可能なのか理解できていなかったり、システム部門の担当者が事業面の課題がわからず、システムを構築できてもデータ活用がうまくいかないなどのケースがある。

 そこでデータ活用で成功するには、「まず経営トップが課題解決におけるデータ活用の重要性を認識し、旗振り役として、方向性を示し続けることだ。」(アナリティクス事業部グループマネージャーの名取滋樹氏)という。そして「データ活用の理念を業務の具体的なレベルまで落とし込み、現場でのPDCAを繰り返すことで、組織の文化として浸透させていくことが何よりも重要だ」と名取氏は主張する。成功事例を作り、データ活用の有効性を各担当者が実感できれば、それは組織全体へと広がり、文化として定着する。

名取 滋樹 氏

名取 滋樹

野村総合研究所 コンサルティング事業本部 アナリティクス事業部 グループマネージャー NRI認定データサイエンティスト

廣田 壮一郎 氏

廣田 壮一郎

野村総合研究所 システムコンサルティング事業本部 システムデザインコンサルティング部副主任データサイエンティスト

アナリティクス技術のビジネス適用に向けて

 アナリティクス技術のビジネス適用を推進していくうえで、意識すべき成功ポイントがいくつかある。
 そのひとつとして、目的と手段を明確化することが挙げられる。そこでまず適用対象となる領域や利用者を明確にする。そのうえで「目的と適用対象を照らしながらどうやって到達するか手段を明確化していくことが大切」とシステムデザインコンサルティング部の廣田壮一郎氏は説明する。また社内にデータ活用に必要なスキルを持つ人材がいない場合は、組織としてスキルを兼ね備えた体制を構築し、役割分担することも必要になる。

 廣田氏は「マネジメント層がデータ分析の手法を理解できるような体制を作り、技術担当者と連携して進めることがポイント。適切な権限委譲など、責任の切り分けを明確にしていくことも求められる。互いに目標と課題を理解し、トライアンドエラーをしながら一つずつ課題をつぶして進めることだ」とアドバイスする。

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 業種業態は違っても成功事例を知ることで、何かしら自社ビジネスに生かせる部分はある。そこで経営者やマネジメント層は成功のパターンを知り、それをデータ活用のヒントにすることを意識してほしいという。オープンニングフォーラムでは、名取氏がデータ活用の目的の明確化やプロジェクトの進め方について、具体的な事例をもとに紹介。ミドルカンファレンスでは、廣田氏が実際のビジネスへの適用で注意すべきポイントについてわかりやすく解説する。

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