Data Society Fes 2020ビジネスリーダーズ・カンファレンス開催
変化の先へ~“データ価値を最大化させる経営”実現に向けて

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ニューノーマル&デジタル経済への大きなうねりが始まる中、DX(デジタルトランスフォーメーション)が経営・ビジネスの成否を左右する時代に差し掛かっている。そんな中、Data Society Fes 2020のトップバッターである「ビジネスリーダーズ・カンファレンス(主催:日本経済新聞社)」が10月9日にWeb開催された。データドリブン(データを有効活用させる)経営の実現に向けて、データ価値を最大化させる経営手段を探る貴重な一日となった。

個人起点でデータを活用し、チャンスを生かす

ビジネスリーダーズ・カンファレンスは、日経クロストレンドプレゼンツ「アフターコロナの世界のデータ活用と日本社会の変革への処方箋」と題するパネルディスカッションから始まった。日経BPの杉本昭彦氏をコーディネーターに、DataSign太田祐一氏、こゆるぎ総合研究所鈴木良介氏、日経BPシリコンバレー支局長市嶋洋平氏がニューノーマルに向けたデータによる価値創造の活用事例や個人データの活用をめぐる内外の取り組みや課題について議論した。

杉本 昭彦氏
太田 祐一氏
鈴木 良介氏

ビッグデータがいわれ始めて10年、様々な試行錯誤がなされてきた。米国のデータ活用事例でも、自社で収集したデータが自社の製品やサービスの改良に活用されるのが一般的だ。一方でプライバシー重視の流れから規制が強化され、個人が自分の意志でデータを提供する形になろうとしている。そうした中で、事業者を超えたデータ流通の実現はそれほど簡単ではない。個人を起点にデータを活用する観点から、企業はキラーアプリも含めて、チャンスを生かすことが重要だと、参加者の意見が一致した。

続いて、日本テラデータの川村佳世子氏が登壇。「データを最大の企業資産とする、データ活用の進め方~1000のユースケースから見えてくる最善策~」と題して講演した。DXの目的はビジネス変革であり、デジタル化で得たデータを活用して、顧客やビジネスを深く理解することが重要だと主張。テラデータでは大規模データ分析プラットフォーム「Vintage」とコンサルティングサービスを提供。その知見は1000以上のユースケースにまとめられ、ビジネス成果別に6つに分類され、企業を支援していると話した。

川村 佳世子氏

重要になる日本型スタートアップとの連携

次に、KPMGコンサルティングの宮原正弘氏が「New Normalにおける次代への経営変革~経営者が見出すべき日本企業の未来への活路とデータ利活用~」と題する講演を行った。アフターコロナ時代のニューノーマルは、非接触でも仕事が成立すること、危機と背中合わせの成長を目指すことだと指摘。そのために経営者には会社の存在意義(パーパス)の明確化と個の活用が求められると述べた。成功の鍵は社内の膨大なデータを人工知能(AI)で再現可能にすることだ。AIでパーパスを明確化、関連する人をつなぐことで、アイデア創出が可能になると説明した。

宮原 正弘氏

パネルディスカッションの2つ目として、HONGO AIセッション「大企業とスタートアップの連携で生み出す新たなイノベーション」が行われた。HONGO AIは東京・本郷でAIのスタートアップでイノベーションを生み出そうとするプロジェクト。本郷を日本のシリコンバレーに育てるのが狙いだ。今回、同プロジェクトとの連携で、日本経済新聞の生川暁をコーディネーターに、三井住友フィナンシャルグループの谷崎勝教氏、住友商事の芳賀敏氏、経営共創基盤の川上登福氏が話し合った。

谷崎 勝教氏
芳賀 敏氏
川上 登福氏

これまで日本ではスタートアップが育ちにくいといわれてきたが、最近では流れが変わってきている。大企業同士だと結論を出すまでに時間がかかるので、スタートアップの技術力や小回りが利く部分は大きな刺激になる。一方でスタートアップはビジネスプラン作成や法律対応などは不得意だ。そこで両者がパートナーシップを組むことで大きなメリットが生まれると参加者は口をそろえた。最近、現状のままでは成長は困難だという危機感を多くの日本企業が持つようになっている。その中で大企業にとって日本型のスタートアップとの連携の模索が非常に重要になっているとの結論に至った。

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