Data Society Fes 2020 ビジネス・ディベロップメント・フォーラム開催
DXシフトによる価値創出へのヒント満載

目次

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が企業で本格化している。数多くの実績が生まれる一方で、課題を解決できないまま、検討段階から抜け出せていない企業も多い。実際、日本企業は、世界で加速度的に進むDXの取り組みから大きく後れを取っている状況だ。そこでアフターコロナを視野に入れたDX推進が急がれる中、Data Society Fes 2020のイベントの1つとして「ビジネス・ディベロップメント・フォーラム(主催:日本経済新聞社)」が、11月12日、13日の2日間にわたってWeb開催された。事業変革を推し進めた先進企業の成功事例を軸に、DX推進に必要な組織づくりや人材育成、先進IT(情報技術)の活用など、幅広い内容の講演が行われた。DXシフトによる新たな価値創造へどう取り組んでいくべきか、デジタル化で失敗しないために必要はことは何か、今回のフォーラムからぜひヒントをつかんでほしい。

認識の入れ替えと周辺環境整備の必要性高まる

ビジネス・ディベロップメント・フォーラムの基調講演として、経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課課長・デジタル高度化(DX)推進室長の田辺雄史氏が登壇した。テーマは「『新たな日常』を実現するためのDX政策~デジタル時代を生き抜く『変革し続ける企業』の要件~」。田辺氏は冒頭「DXを推進するには、業務のやり方を変えるだけではなく、企業文化まで変えなければならない。そうしなければ一過性の最新IT導入にとどまる」と語った。人の行動を変容させるためには、認識を入れ替えることと周辺環境整備が必要だ。同省のDX推進政策では、企業の内面と環境整備の両面から働きかけるツールの整備を推進している。田辺氏は「個々のツールを紹介し、有効に使ってDXを推進して欲しい」と呼びかけた。

田辺 雄史氏

続くスポンサー講演では、まずKPMGコンサルティングの山本直人氏が「データと妄想のシンフォニー~不確定な時代を読み解き、日本企業の未来に活路を~」と題する講演を行った。山本氏は「妄想とは枠にとらわれずにいろいろなものを創造していくことだ」と話した。先が分からない不確実な世の中だからと、何もせず見ていてはいけない。先手を打つため、デザイン、ビジネス、テクノロジーを包括的な視点でとらえて妄想する。そして社内外の膨大なデータを活用し、消費者の動き、世の中の動きを読み取り、妄想を確度の高いリアルな仮説へと落とし込む。「データと妄想を組み合わせ、社会的意義のある活動に結び付けるべきだ」と主張した。

山本 直人氏

データ活用のためのツール開発とシステム再構築

次いで登壇したピュア・ストレージ・ジャパンの正見卓司氏は「デジタル新時代に向けてアフターコロナの世界でのデータ価値とは? ~社会の変革が一段と進むいま問われる本質とは? 企業成長に必要なデータ活用の最適解~」をテーマに、データ活用のポイントを紹介した。正見氏は「データを活用する重要なポイントはストレージにあるが、ストレージはボトルネックにもなる。一方、独立したシステムが乱立するサイロ化がビッグデータのフル活用を阻害している」と指摘。その結果、データが分散しているから活用ができない。そこで同社ではタスクに合った多数のストレージを提供することでサイロ化を解消し、ビッグデータの活用推進を図った。正見氏は「今こそストレージを再構築する必要がある」と語った。

正見 卓司氏

データ・プラットフォームはIAベースで

日本アイ・ビー・エムの大久保将也氏は「DX推進に向けたデータ・プラットフォーム構築の成功法則」と題する講演を行った。大久保氏は「DXが進まないでは、もはや済まされない。AIを使って膨大なデータを扱えるようになった。しかしデータ活用の環境が整っておらず、うまく扱えないことがAI導入の妨げとなり、DXは進まない。それを解決するのがインフォメーションアーキテクチャー(IA)だ」と主張した。データ・プラットフォームを構築するため、まずはIAをベースにスモールスタートし、並行してデータガバナンスを検討していくことが成功法則だと説明した。

大久保 将也氏

初日の最後に登壇したのは、東京センチュリーの筒井純二氏。DX特別講演のテーマは「IT部門は企業の生命線から最前線へ 東京センチュリーのDX戦略」。筒井氏は「欧米のIT投資は新たなビジネスを生む、攻めの投資である。一方、日本では業務を効率化する守りのIT投資が多くを占める」と指摘した。その原因として、日本企業はIT部門を自社で持つところが少なく、ITシステムがブラックボックス化していることを挙げた。AI、ビックデータプロジェクトの成功のカギはIT部門にあり、変化に素早く柔軟に対応できることが必要になる。「IT部門は、企業の生命線から最前線へ変わっていく」と筒井氏は主張した。

筒井 純二氏
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